✅先生の悩み
・子どもたちのためにもっと授業が上手くなりたい
・授業をする上で大切なことを知りたい
このような思いを持っている先生方は多いのではないでしょうか。
✅本授業の内容
2時間目:「教師は授業で勝負!」これ本当?
3時間目:学力は副産物である
4時間目:うまくいく授業のための3つの土台づくり
本授業ではこのような悩みに対して、「うまくいく授業」を創り上げるために必要なことを解説します。
・小学校教諭として11年間勤務
・専門分野:学級経営
・毎年10回以上の自主的に授業研究会に参加、研究を深める
・これまで300冊以上の教育書を読破
・2年目で初めて6年生を担任→子どもとの関係作りに悪戦苦闘
・授業研究の前に、学級経営で勝負することの重要性に気づく
共に子どもたち、そして自分のために学んでいきましょう!
早速始めます!気をつけ、礼!
1時間目:上手くいった授業とは?
日々子どもたちの前にたち、授業を行う教師であれば、「授業が上手くなりたい」という思いは誰もが持っていることでしょう。
私も、常にそう考えながら、教材研究や授業研究に取り組んできました。
では、皆さんに質問です。
「上手くいった授業ってどんな授業ですか?」
いくつか思い浮かべてみてください。
・子どもたちが活発に意見を言い合えた
・話し合いが深まった
・様々な角度から意見が出た
・子どもたちが楽しそうだった
こんなイメージでしょうか。
では、ここからは、どうすればこのような授業を創ることができるのか、一緒に考えていきましょう!
2時間目:「教師は授業で勝負!」これ本当?
「教師は授業で勝負するものだ!」
一度は聞いたり、口にしたことがあるフレーズではないでしょうか。
これは、子どもたちにとって、「学校生活上の大半の時間が授業時間である」というところから言われていることです。
でも、これって本当でしょうか。
教師の授業力向上を狙う前に、まず私たちが全力で取り組むべきことがあります。
それは、「学級経営」です。
そもそも、学校教育で最終的に目指す教育目標とはなんでしょうか。
教育基本法にはこうあります。
「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」
簡単にいうと、学校教育で目指すべきものは
「人格形成」なのです。
子どもたちが、学校で人格形成を行う場所。
それは、あなたの学級です。
つまり、学校は子どもたちの人格形成をするための場所であり、私たち学級担任の役割は、人格形成に最適な環境を整えることにあるのです。
しかし、多くの学校で、学級経営よりも、教科の研究に比重が置かれています。
学級経営は担任裁量に任されており、また、考え方や実践が多岐にわたるため、共通したテーマでの研究が難しいのも、確かでしょう。
しかし、子どもたちにとって、人格形成に最適な環境を整えるには、まずは「教師は授業で勝負」する前に、まず「学級経営で勝負」するべきなのです。
3時間目:学力は副産物である
よく、「学力を上げるために〜」という、学力ベースの話題が現場でも取り上げられます。
ここでは、ひとまず教科のテストなどで数値化できるものを学力と定義しておきます。
もちろん子どもたちに一定の学力を身に付けさせることも、必要です。
しかし、
学力をあげようとしても、学力は上がらない
学力向上は、充実した学級経営の副産物である
これが私の考えです。
学力を向上させるには、毎日意欲的に学習に取り組んだり、自分の内面をさらけ出せる、安心・安全な環境が不可欠だからです。
極端な例を挙げます。
担任の先生と関係がうまくいっておらず、気を許せる友だちもいない、ゆいさん。
ゆいさんは、こんな環境で、毎日モチベーション高く学び続けられるでしょうか。
もっというと、こんな環境で、先生がいかに練りに練った渾身の授業を展開しても、ゆいさんにとっては、響かない授業になるのではないでしょうか。
私たちが目指す「うまくいく授業」のイメージを思い出してください。
・子どもたちが活発に意見を言い合えた
・話し合いが深まった
・様々な角度から意見が出た
・子どもたちが楽しそうだった
これらは、充実した学級経営という土台がなければ、成り立たないのではないでしょうか。
もし、あなたのクラスの子どもたちが、
・なかなか手を挙げて発表しない
・自分の考えを言いたがらない
・間違うことを恐れている
・「わからない」と言えない
こんな様子を見せているのなら、まずは「授業」よりも「学級経営」に目を向けて、力を注ぐべきです。
そして、学級経営が充実し、子どもたちにとって、自分をさらけ出せる場が整って初めて、授業について研究を深めていけばいいのです。
しかし、学級経営がまだ充実していない状況にも関わらず、授業研究に意識を注ぐ先生がとても多いように感じます。
まずは、安心して学べる環境づくり。
これが最優先です。
授業で勝負するには、それからでも決して遅くはありません。
4時間目:うまくいく授業のための3つの土台づくり
①何でも言い合える関係づくり
子どもたちが授業中に、活発な意見を交わすには、何でも言い合える関係作りが必須です。
何か発言する度に、
「バカにされたらどうしよう」、「反対意見を言って、あの子に嫌われたらどうしよう」
という心理が働くと、
手を挙げることも、自分の考えを伝えることも怖くなってしまうからです。
そうならないためには、
縦糸(教師と子どもの関係)、横糸(子ども同士の関係)
で子どもたちが「何でも言い合える関係」を紡いでいくことが大切です。
②自分の内面をさらけ出せる承認空間づくり
授業中、自分の内面をさらけ出して発言したり、話し合ったりするには、傷つけられることがない、という安心感が不可欠です。
自分の内面をさらけ出すには、勇気がいります。
誰かにバカにされるかもしれないし、自分が傷つくかもしれない。
そんな心理が働くからです。
そこで、私はことあるごとに、「チャレンジしている友だちを否定、責め禁止!自分も!」という言葉を1年間教室に掲示し続けました。
定期的に、子どもたちに意識させながら学級経営を行うことで、少しずつ自分と異なる考えや意見も受け入れる素地が整っていきます。
③間違いは学びを深める種、という認識づくり
間違いや、できていないことこそ学ぶ価値があります。
でも、子どもたち、いや、私たち日本人は、「正解に価値がある」と思い込み過ぎています。
そもそも、何でも知っていて、何でもできる。
そんなスーパーマンばかりなら、学校なんて必要ありませんよね。
わからないこと、できないことを、仲間と一緒に乗り越える。
そこで、豊かな人格が形成されていき、さらには学びが深まるのです。
ここまで、お伝えしてきたことは、授業がうまくいくために必要な土台となる部分です。
冒頭でも述べたように、学級経営における考え方や実践は様々です。
そして、子どもたちが多様な考え方に触れるためにも、そうであるべきだとも考えます。
ただし、学級経営における考え方の軸をしっかりともち、学級経営の重要性を理解した上で、授業で勝負する。
この認識に立つことが、授業を研究し、深めていくスタートだと考えます。
学級経営については、ぜひこちらの授業もあわせて受けてみてください。
学級経営に対する考え方の軸や、さらに深く学級経営が学べることと思います。
本記事を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます!!
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