✅先生の悩み
「最近クラスの雰囲気が悪い・・・」 「これって学級崩壊?!」 「どうしたらいいかわからない!!あー!!」
✅本記事の内容
①学級崩壊とは ②子どもとの関係がうまくいかない時の3つの処方箋<予防編> 処方箋1、「関係がうまくいっていない子」は案外少ない!? 処方箋2、まずは笑顔のプレゼントをくれる子たちと毎日を楽しもう! 処方箋3、「気になる子」には個々にアタック!! ③まとめ ・とにかく続けること!
・小学校で11年間、全力で学級経営に向き合う
・学級経営学会所属 学級経営を「理論と実践の往還」に基づき研究を深める
・担任したクラスで不登校0人
・前年度不登校気味だった子を担任し、全員不登校解消
・教師を辞めようと毎日考えるほど、子どもとの関係作りに悩んだ年もあるが、 試行錯誤して乗り越えた経験を持つ
・アドラー心理学を考え方の軸に据えて実践
こんな私が、解説していきます。
今回の記事は学級経営の実践編となります。
学級経営は、根本となる考え方に基づいて実践を行うことで、効力を発揮します。
より、深くあなたの心に残るようにするために、まずはこちらの記事をご覧ください。
https://classmanagement.tech/class_management_good_teacher/
学級崩壊とは
まず、学級経営について定義しておきましょう。そもそも、「学級崩壊」と言う言葉は、文部科学省もはっきりとした定義はしていません。その上で、以下をご覧ください。
文部科学省の前身である文部省から研究を嘱託された、国立教育研究所(当時)が組織した「学級経営研究会」が、1999年(平成11年)9月に発表した学級崩壊の定義です。なお報告書の中では、「学級崩壊」という表現ではなく「学級がうまく機能しない状況」という表現を用いています。
上記によると、「学級崩壊」=「学級がうまく機能しない状況」とされています。もう少し、掘り下げていきましょう。
「学級がうまく機能しない状況」とはどういう状況か。それは、
クラスで問題が起きた時、真剣に話をしたいときに、クラス全体への指導が入らなくなった状態
であると考えます。
例えば、クラスの中で、人を傷つける発言、行為があった時、いじめがあった時。
いずれも、1人1人の居心地の良い空間を傷つける許せない場面です。
それにも関わらず、「みんな話し合おう」という姿勢はおろか、教師の指導の言葉も届かない。
このような状況を「学級がうまく機能しない状況」として捉えて、考えていきましょう。
言い換えると、「クラスの雰囲気を大きく損なう行動が見られた時に、改善する力を失った状態」といえます。
こんな状態になったら、目に見える問題、水面下でサイレントに行われる問題行動、いずれも根本から解決することが難しくなります。
そして、このような状況に陥る原因の多くは「教師と子どもの関係が崩れている」時ではないでしょうか。
子どもとの関係がうまくいかない時の3つの処方箋<治療編>
では、ここからは子どもとの関係が悪化しているときにどう対応すれば良いかを考えていきましょう。
処方箋①「関係がうまくいっていない子」は案外少ない!?
「うちのクラス、学級崩壊?!」と感じるような状況でも、冷静に子どもたち1人1人との関係をみていくと、あなたと「関係がうまくいっていない」子は案外少ないことに気がつくはずです。
試しに、「気になる子」=あなたが関係がうまくいっていない、と感じる子を思いつくだけ書き出してみてください。
もちろん、明らかに反抗的な態度をとってきたりして、「関係がうまくいっていない子」も含めてです。
そうすると、クラスの中であなたと関係がうまくいっていない子は案外、数人、または特定のグループだけであることに気がつくはずです。
では、そうであるにも関わらず、どうして先生は「学級崩壊!?」という、あたかもクラス全員との関係がうまくいっていないように
考えてしまうのでしょうか。
ここで、少し、脳科学の話に触れておきましょう。
人は、「人に好かれたい」という承認欲求を持っています。
人間は大昔、集団で命がけで狩りをし、獲物を倒し、生きていました。
一人では倒せない獲物を、集団の力で倒し、食料を確保していたのです。
そのような時代、人に嫌われる、集団から弾き出されること、つまり他者からの承認を得られないことは、命の危険にさらされることでした。
それが今でも人間の本能に焼き付いています。
だから、人間は「人から嫌われること」に強い心の痛みを感じるのです。
これは先生も同じです。今の時代、人に嫌われることは命の危険には繋がりませんが、やはり人、
つまり子どもに嫌われることは強い心の痛みを感じます。
だから、自分と関係がうまくいっていない子にばかり目がいってしまうのです。
私も、このような経験はたくさんしてきました。特に、初めて6年生を担任した時。ある女子児童との関係がうまくいかず悩んでいました。
朝起きたら、まず「学校に行きたくないな」、こんな感情が湧いてきます。食事も喉を通らず、体重も8キロ落ちました。
まさに、「学級崩壊だ」と感じていました。
でも、職場の先輩先生言われて、あることに気がついたのです。
「クラス全員と関係が崩れているわけではない」ということに。
当時を思い返しても、関係がうまくいっていなかった子は、その女子児童のグループを含めても3人ほどでした。
その他の30人以上は、私に毎日笑顔で話しかけてきてくれる子ばかりでした。
まさに、良好な関係の30名の子たちより、関係がうまくいっていない3名の子に全ての意識がいってしまい、「学級崩壊だ」と感じていたのです。
冷静に状況を俯瞰してみると、あなたと関係がうまくいっていない子はきっと数名です。
まずは「あなたと関係がうまくいっている子がたくさんいること」。
このことを認識することから始めましょう。
処方箋② まずは笑顔のプレゼントをくれる子たちと毎日を楽しもう!
認識を変えられたら、次は、「あなたの方を向いてくれている子たち」を大切にしましょう。
日常、あなたに笑顔で話しかけてきてくれる子、楽しい雑談をしてくれる子たちと、目いっぱい会話を楽しみましょう。
あなたに笑顔をプレゼントしてくれる子たちを笑顔にしてあげましょう。
そうすると、自然とクラスに笑顔が増え、明るい雰囲気に包まれていきます。
なぜなら、あなたと良い関係の子の方が多いのですから!!
このことを心がけて日常を過ごしていると、ふと、関係がうまくいっていないグループの子も会話に混ざってきたりします。
そうしたらしめたものです。
その子も巻き込んで楽しんじゃいましょう!
しかし、なかなか空気が重く、会話も弾まないことが続くこともあるでしょう。
簡単に雰囲気が変われば苦労しませんよね。
私もそうでした。
上記の6年生を担任したときは、その子たちと日常会話ができるまで、卒業間際までかかりました。
これまでの積み重ねで、関係が崩れているので、長期戦になることは多いです。
でも大切なのは、周りがどうか、ではなく、「あなたが楽しもうという姿勢を見せ続けること」ではないでしょうか。
周りの空気を気にして、合わせていたら、ずっと暗い空気のままです。
決して楽なことではありませんが、あなたがその姿勢を貫き、行動し続けた先にだけ、明るい光が待っています。
処方箋③「気になる子」には個々にアタック!!
上では、こちらを向いている子たちに焦点をあてて、まずはあなたが楽しむことを大切にしましょう、と伝えてきました。
しかし、気になる子を放っておいていいわけではありません。
他の子たちと日常を楽しみつつ、「気になる子」にもアタックしていきます。
積極的に頑張っているところや、良いところを見つけてそれを言葉にして伝えるのです。
この時、グループでいるときではなく「個々に」というのがポイントです。
グループでいると、同調圧力が働き、素直に話ができないことが多いからです。
気になる子も、学校にいる間、ずっと問題行動をしているわけではありません。
普通に学習に取り組んだり、クラスや委員会の仕事をしてくれてることも多々あります。
1人でいるところを見つけて、言葉で「素敵だね」ということを伝える。
ただそれだけです。
そんなこと言っても、また「うざい」とか言って反発されそうだ、と感じるかもしれません。
「頑張っているね」と伝えても、無視されたり、「うざい」と言われると辛いですよね。
私も嫌というほどそんな経験をして心を痛めてきました。
でも、それでもいいのです。
もっと言うと、その子がどう反応するかはどうでもいいのです。
繰り返しますが、大切なのは、「あたながどうしたいか」。
「気になる子との関係を良くしたい」のですよね。
そうならば、その通り行動することだけでいいのです。
まとめ
最後にもっとも大切なことを伝えて、本記事を締めくくりたいと思います。
それは、
「あなたの方を向いてくれている子」に目を向けること 「あなたの方を向いてくれている子」と日常を楽しむこと 「気になる子」には個々にアタック!!
これを継続することです!!
雰囲気悪いと感じていればいるほど、日常心が折れそうになることは多々あります。
でも、そんな時は自分に言い聞かせてください。
「周りの反応は関係ない。大切なのは自分がどうしたいかだけだ。」と。
そして、行動し続ける。
すると、少しずつ関係が良くなっていくことを感じられるはずです。
クラスの雰囲気の立て直しは長期戦です。
1人では辛くなることも多いでしょう。
そんな時はまたここに帰ってきてください。
いつでも相談に乗りますよ。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
先生自信、そしてクラスの子どもたちが、笑顔で毎日を送れることを願って。
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