✅先生の悩み
2、子どもといい関係作りをする具体的な方法を知りたい
3、自分にもできるか不安
以上のような、学級経営でよくある疑問に答えます。
✅本記事の内容
2、子どもといい関係作りをする上で、あなたがすべきたった1つのこと
3、まずは小さなことから始めてみよう【一緒にアクションプランを考えましょう!】
4、おすすめの学級経営本、3選
この記事を書いている僕がどんな教師だったかを紹介します。
・小学校で11年間、全力で学級経営に向き合う
・学級経営学会所属 学級経営を「理論と実践の往還」に基づき研究を深める
・担任したクラスで不登校0人
・前年度不登校気味だった子を担任し、全員不登校解消
・教師を辞めようと毎日考えるほど、子どもとの関係作りに悩んだ年もあるが、
試行錯誤して乗り越えた経験を持つ
こんな僕が解説していきます。
学級経営をする上での大切な2つの考え方
その①:子どもも一人の人間として尊重する
まず、教師だからとか子どもだから、とかいう考えを捨てて、「子どもを1人の人間として尊重する」ということが大切です。
「こんなクラスを創りたい!」「子どもたちにはこう在って欲しい!」と熱意のある先生ほど、「教師だから教えてあげなければならない」「私の思いを理解して欲しい!」と、つい教師→子どもという順序で関係を捉え、自分の考え、思いを押し付けてしまいがちだからです。
私も、特に2年目で初めて6年生を担任したときにこの考え方を、全面に押し出して(決して押し出すつもりはありませんでしたが)子どもに接していました。
私のクラスには、金髪でピアスをしている女子児童がいました。私は「ピアスはよくない!」「金髪もよくない!」という自分の考え方を一方的に主張し、
毎日顔を見れば「ピアス外せ!」と、上から目線で指導し続けました。今振り返ると、その女子児童にはその子なりの理由があったのだと思います。でも、一切そういった理由を聞かずに自分が正しいと思うことを「指導」という名目の元、押し付け続けました。
そうすると、皆さんも予想が付きますよね。その女子児童はもちろん、その女子児童のグループとの関係も悪化。
毎日、食事も喉を通らないほど学級経営に苦戦した、という苦い経験があります。
小学1年生であろうと、6年生であろうと、もう一人の立派な人間です。つまり、一人一人が、「こうしたい」とか「こう考えている」という自分なりの「思い」を持っているのです。
子どもを1人の人間として尊重する、という考え方を持つと、自然と教師の行動も変わります。例えば、何かクラスでトラブルがあったときの言葉がけを例に挙げましょう。
「教師だから子どもに正しいことを教えなければならない!」という上から子どもに何かを伝えようと考えていると、「〜しなさい」という子どもに自分の考えを押し付ける言い方になってしまいます。
すると、この教師の考えとは異なる考えを持っている子どもが大なり小なり反発心を持つのです。
これが積もり積もると、子どもとの関係はうまくいかなくなるでしょう。
一方、「子どもを一人の人間として尊重する」という立場から伝えるとどのような言葉がけになるか。
少し読むのを止めてあなたも考えてみてください。
きっと、「先生はこう思うけど、あなたたちはどう思う?」というように、人間として対等な立場で「話し合う」、もしくは「子どもたちの意見を聞こう」という気持ちが生まれるのではないでしょうか。
前者と後者なら、積み重なっていったときにどちらの方がクラスの雰囲気がよくなるか、教師と子どもとの関係がよくなるかは明白でしょう。
ここまでをお読みいただいて、子どもの思いを聞いてばかりではナメられるのでは?いざと言うときに指導が入らなくなるのでは?と感じた方もおられるでしょう。
でも大丈夫です。
いじめや、暴力など、ご自身の中で、「クラスにこういうことがあったら絶対に許さない!」ということを日常的に子どもたちに宣言しておくのです。
私はいつも4月の学級開きの際に宣言していました。
早いに越したことはありませんが、2学期からでも、3学期からでも遅くはありません。
あなたの思いは、その時から言葉にして伝え続ければいいのです。
そして、いざそれが起きたときには徹底的に指導すればいいのです。
普段からの関係が良好なら、きっと子どもたちにも届くはずです。
普段から自分たちの思いを聞いてくれている、という実感が子どもたちの中に育っていれば、絶対に大丈夫です。
難しく考えず、「子どもを1人の人間として尊重する」。
自分の大切な人と関わるときと同じように、接することを心がけてみてください。
その②:他人を変えることはできない、と心得る
その①と通じるところでもありますが、「人は他人を変えることはできません。変えられるのは自分だけ」ということを心得ましょう。
大人も子どもも関係なく、100人いれば、100通りの考え方があるように、人はそれぞれ、自分の知識や経験をもとに、自分の考えを持っています。
もちろん、この記事を読んでくれているあなたもそうでしょう。
私もそうです。
上で挙げた、女子児童との例では、私はその女子児童に対して、「私は学校にピアスをつけてきてはいけないと思うから、ピアスを外させたい」と考えたわけです。
もちろん校則上も禁止されていました。
しかし、私がいくら外すよう伝えても、結局そのピアスを外すかどうかはその女子児童にかかっているわけです。
いくら私が指導しても、その女子児童が頑なに外さなければ、耳にピアスはついたままです。
さらに例をあげましょう。
この後、この女子児童を含むグループとの関係は悪化します。
そこで私がいくら「私のことを好きになってもらいたい。私の考えをわかって欲しい」と思っても、相手の気持ちを変えることはできません。
恋愛でもそうですよね。
いくら自分が相手のことを想っていても、相手が自分のことを好いてくれるかどうかを操作することはできません。
じゃあ、どうすればいいんだ!子どもを変えることができないなら、教師の仕事が成り立たなくなるのではないか!と感じた方もおられるでしょう。
私たち教師の仕事は、「子どもを変えること」ではありません。
また、教師の思いや考えを伝えることも大切なことです。
その上で、子どもを一人の人間として尊重し、共に悩み、共に考える。
そして、その先どうするかは子ども自身が決めるのです。
教師は側でその姿を見守ってあげればいいのです。
子どもを変えなければ!成長させなければ!と身構えるのではなく、自分の考えを伝えながら、最終的には子どもの考えを尊重する。
子どもと伴走するイメージで接すると、先生方の気持ちも、もっと楽になるのではないでしょうか。
子どもといい関係作りをする上で、あなたがすべきたった1つのこと
子どもに望む姿を自分が行動で示す
ここまでを踏まえて、教師ができることは思いを伝えることだけなのか、というと、そうではありません。
子どもといい関係作りをする上で、あなたがすべきたった1つのこと。
それは、「あなた自身が、子どもたちに望む姿を自行動で示すこと」です。
子どもたちに日常「大切だ」と伝えていること、「こんなクラスになって欲しい」と感じていることを、あなた自身が子どもたちの前で実践して見せ続けるのです。
「子どもは親の言葉は聞いていない。子どもは親が何をするかを見て真似する」という言葉があります。
これは、「一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる」の著者、ミセス・パンプキン氏の言葉です。
これを教師に当てはめると、「子どもは教師が何をいうかは聞いていない。教師が何をしているかを見て真似する」となります。
これは日中、親よりもたくさんの時間を過ごす教師にも十分当てはまることだと考えます。
上記の例の場面では、私の女子児童や、そのグループへの接し方を周りの子たちも見ています。
すると、5月ごろには、その女子グループはクラスから浮いた存在になっていました。
今振り返ると、これは私が創り出した状況なのです。
つまり、毎日「ピアスを外さない、逸脱行動を取る子だ」「いつも言うことに反発し、クラスのためにもならない」。
こんなメッセージを私は周りの子たちに、暗に発信し続けていたのです。
私の行動を見て、周りの子たちが真似した、というわかりやすい状況でした。
とはいえ、教師には得意なこともあれば、できること、できないこともあるでしょう。
だから、あなたの理想とするクラス、理想とする子どもたちの在り方をもう一度振り返り、「これなら自分自身も行動し続けられる」というものに絞ればいいのです。
そして、1つでも2つでもいい。
その決めたことを、子どもたちの前であなたが実践し続けてください。
その上で、言葉にもして、伝え続ければいいのです。
子どもたちに、あなたの考えや思いを伝えつつ、それを子どもと一緒に実践し続ける。
そうすると、気づいたときには、自然とあなたの理想とするクラス、子どもたちに近づいているはずです。
まずは小さなことから始めてみよう
【一緒にアクションプランを考えましょう!】
以上を踏まえて、「じゃあ、自分は明日からなにをすればいいんだろう」。
そう思った人もいるでしょう。
最後に、明日からできる具体的なアクションプランを一緒に考えていきましょう。
せっかくなので、紙とペンを用意して、何かに書き出すことをオススメします。
タブレットやPCに入力しても構いません。
①あなたが理想とするクラスはどんなクラスですか?ざっくりとでいいのでイメージして言葉にしてみましょう。
②イメージができたら、少し具体的な場面をイメージします。次の3つを考えて書き出してみてください。
- 「あなたのクラスでは、困っている子がいたらどんな声かけが起こりますか。」
- 「あなたのクラスでは、友だちが授業中、間違えた発言をしたときにどんな声かけや行動が起こりますか。」
- 「あなたのクラスでは、子どもたちは毎日どんな表情をしていますか。」
③具体的に書き出せたら、以上の3つのことを、明日からあなたが子どもたちの前で実践して見せるのです。
こちらの動画でも、「学級経営の軸」の作り方を解説しています。
ぜひチェックしてみてください!!
そうすれば、近い将来、あなたの理想のクラスが目の前に広がることでしょう。
最後に、あなたの背中を押す言葉を送って本記事を締めくくりたいと思います。
「人生は、思った通りにはいかない。人生は思い、行動した通りになるのだ。」
これは私の座右の銘でもあります。
お読みいただいている方の中には、きっと、「教室に入るのが辛い」「子どもとの関係がうまくいかなくて困っている」というように、藁をも掴む思いでこの記事を読んでくださっている方もおられるでしょう。
でも、少しご自身のことを冷静に振り返ってください。
今の自分の学級経営に課題を感じ、「なんとかしたい!」という思いを抱き、情報を集めるために行動した。
そしてその記事に出会ったのではありませんか?そんなあなたは、もうすでに人生を変えるために行動できています。
次は、その行動を教室の中でぜひ実践してみましょう。
あなたなら大丈夫。
そして、もしまた辛くなったらここに帰ってきてください。微力ながら私も力になりますよ☺️
おすすめの学級経営本、3選
この記事を読んだ上で、もっと知りたい!もっと学びたい!というあなたに、私の教師人生を支えた学級経営本を3冊紹介します。
もしよろしければ、こちらも読んで、学びを深めていただけたらと思います。
その①「スペシャリスト直伝!学級作り成功の極意」赤坂真司
私の学級経営のバイブル。
一番しんどかったとき、心を救ってくれた1冊!
スペシャリスト直伝!学級づくり成功の極意 [ 赤坂真二 ]
その②「クラスづくりの極意ーぼくたち、先生なしでも大丈夫だよー」 岩瀬直樹
4月の学級開きの際には毎年お世話になりました!クラス目標の作り方や、お掃除プロ制度など、学級経営に生かせる要素満載!
「最高のチーム」になる!クラスづくりの極意 ぼくら、先生なしでも大丈夫だよ/岩瀬直樹【1000円以上送料無料】
その③「子どもが変わる接し方 9割の先生が気づいていない学級づくりの秘訣」田中博史
尊敬する筑波大学附属小学校元副校長の田中博史先生の1冊。子どもとの接し方に関する新たな視点をたくさん得られます!
子どもが変わる接し方 9割の先生が気づいていない学級づくりの秘訣 [ 田中博史 ]
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ぜひ、コメントにて、感想、あなたの日々の実践をお聞かせください。
悩み相談も大歓迎です!
これからも、共に、楽しい教師ライフを。
そして、日本中の先生方と子どもたちの笑顔のために。
こちらの記事も合わせてお読みいただくと、さらに理解が深まると思います!
「となりの学級経営」の理念も含めて、魂を込めて書いた初稿です。
また、学級経営をさらに学びたい!
そんな先生方との学びの場、オンラインコミュニティー「先生たちの学級経営基地」も運営中!
学級経営に困っている。
学級経営についてもっと学びたい。
同じ志を持つ、日本中の仲間と繋がって学び、実践しませんか?
少しでも興味を持たれた方はぜひ入会してみてください!
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