✅このような悩みをお持ちではないですか?
・私が授業で行っている学習法って正しいのかな ・子どもたちの学習が、より定着する学習法ってないかな ・子どもたちに正しい学習方法を教えてあげたいな
本授業では、このような悩みの解決をサポートします!
✅本授業の内容
【あなたは大丈夫?】教えてはいけない7つの学習法【実は効果がなかった】 1時間目:魚ではなく、魚の釣り方を教えよ 2時間目:やってはいけない7つの学習法
今回は、以上の内容で授業を行います。
・小学校教諭として11年間勤務
・専門分野:学級経営
・担任する学級では、毎年、学力テストの結果で大きく国や地域の平均を上回る
・学力を定着させるコツを地域の研修会で発表した経験有り
・ほぼ毎日定時帰りを貫く(もちろん仕事もちゃんとやってます笑)
【あなたは大丈夫?】
教えてはいけない7つの学習法
【実は効果がなかった】
私たち小学校の教師は、これまで自分が教わってきた学習方法をそのまま教室で行っていることが多いです。
あなたが、教室で普段子どもたちにさせている学習方法で、科学的に根拠を持って正しい勉強法だ、と説明できるものはいくつありますか?
残念ながら、私は1つもありませんでした。
経験則で授業を行ってきたからです。
子どもたちには、大人になってからも使える学習法を身につけさせてあげたい。
こんな思いに駆られ、学習法に関する書籍を何冊も読みました。
その中で、学校現場でも使いやすいものをピックアップし、私なりにアレンジを加えた形で解説します。
今回は主にこの書籍を参考文献として、解説していきます。
より詳細に学びたい方はぜひ一読して見てください。
最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法 [ メンタリストDaiGo ]
今回の授業は、まず今教室で行なっている学習法を見直す時間です。
現在地点をしっかりと見極め、科学的に正しい学習法で授業をデザインしていきましょう。
1時間目:魚ではなく、魚の釣り方を教えよ
「魚ではなく、魚の釣り方を教えよ」これは、諸説ありますが、中国の老子の言葉だとされています。
「人に魚を与えると、1日で食べてしまう。しかし人に魚の釣り方を教えれば生涯食べていく事が出来る」という考え方からきています。
つまり、
教科書の内容をただ教えること=魚を与えること
ではなく
教科書の学習を通じて、「生涯使える学習方法や考え方」を教える
=魚の釣り方を教えること
が大切だということです。
今はまだ、入試=知識を問う筆記試験、という避けては通れない壁があるため、どうしても知識を頭に入れることが、小学校現場でも重要視されています。
しかし、少しずつ入試の制度も変容することが安易に予想できますし、何より、これからの時代(今もすでにそうですが)知識は、ググれば0.003秒で調べることができます。
つまり、知識を前提とした、考え方(魚の釣り方)を身につけていくことが、これからの社会を生きていく上では重要だということです。
これは、勉強に限らず、子育てから学級経営、働き方まで、あらゆることに通じる考え方です。
本授業では、子どもたちの「学習法」に観点を絞って授業を進めていきましょう。
2時間目:やってはいけない7つの学習法
日常教室で子どもたちにさせがちな学習方法のうち、効果が薄いと言われるもの7つを紹介します。
あなたはいくつやっていますか?
①教科書にハイライトや、アンダーラインを引かせる
「大切なところに線を引きましょう」
私もよくやっていた方法です。
しかし、心理学者の多くは、この学習法を「ただの気休め」と呼んでいます。
アンダーラインを引いただけで、脳が満足してしまい、「この内容は覚える価値がある」との認識までは至らないからです。
確かに、ハイライトやアンダーラインを見ると「重要なポイントだな」と脳は認識します。
しかし、大事なところをチェックした安心感から、リラックス効果が働き、頭に定着しないのです。
さらには、ハイライトやアンダーラインは、特定の情報にだけ意識を集中させるので、「使える知識として身につかない」というデメリットもあります。
よって、「大切なところに線を引きましょう」という学習法は効果が薄いのです。
②語呂合わせ
「良い国作ろう(1192年)、鎌倉幕府」(今は良い箱作ろう(1185年)鎌倉幕府)
中学校の数学、2の平方根「ひとよひとよにひとみごろ」
これらの語呂合わせは一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
私も、受験期には語呂合わせには大変お世話になりました。
しかし、この語呂合わせによる学習法もあまり役にたたないとされています。
これからの時代、私たちに求められるのは「知識」ではなく、「知識をどう活用して、目の前の問題解決を図るか」、という「思考力」だからです。
1185年に鎌倉幕府が作られた、ということを覚えていても、どうして天皇や貴族が政治を行っていた世の中が、武士が政治を行う世の中に変わったのか、といった、歴史背景までは説明することができません。
確かに、語呂合わせは、ただ覚えればいい、という「記憶術」といった観点では有効な学習法でしょう。
しかし、これからの時代求められるのは「思考力」、「発想力」「想像力」といった、「考える力」、「知識をもとに新たなものを生み出す力」です。
まさに、魚ではなく、魚の釣り方を身につけることが求められているのです。
③教科書を要約
テスト前には、「自主学習で教科書をまとめておいでね!」
こんな声かけを私もよくしていました。
しかし、教科書を要約する、という学習法も効果的ではありません。
なぜなら、要約する、という行為は難易度が高すぎるからです。
要約には、以下のような力が求められます。
・教科書(単元)の全体的な流れを理解する ・教科書の重要なところを掴む ・教科書の要点を、ノートの中に短い情報にして再構築する
教育学の第1人者ジョン・ダンロスキー博士たちも「うまく要約するには大学生でも長時間のトレーニングを行う必要がある」と言い切っているほどです。
じゃあ、全体でキーワードを確認してから要約させれば大丈夫かな?
という意見も出そうですが、いくらキーワードがわかっていても、教科書の全体的な流れ、構成を理解し、そこからさらにキーワードを活用してノートに情報を再構築する、
というのは高学年でもハードルが高すぎます。
つまり、教科書を小学生に要約させるという行為は、成功率が低く、大きなエネルギーのロスを引き起こす勉強法なのです。
④教科書を再読
「教科書を何度も読んで、理解しよう!」
これも、よく行いがちな学習法ですが、教科書の再読に効果が認められた研究例はありません。
つまり、私たちは科学的根拠もなく、正しいと信じて取り入れているということです。
再読の効率が悪いのは、「受け身」の学習になるからです。
人間の脳にはキャパがあるため、興味を持てない情報はうまく取り込めないように作られています。
あなたにも、あまり興味の持てない本をぼーっと読んでは見たものの、何が書いてあったか記憶にない、という経験があるのではないでしょうか。
この現象を防ぐには、読んでいる教科書の内容に意識をむけ、常に疑問を持ち続ける、という主体性が求められます。
「織田信長がキリスト教を禁止し・・・」
このような教科書の記述に対しても、「信長はなぜキリスト教を禁止しんだろう?」と疑問を持つだけで、学習効果が高まるであろうことは想像しやすいでしょう。
教科書をただ繰り返し読む、という学習法は受け身の学習法であり、効果は薄いのです。
⑤集中学習
「はぁ、明日は朝9時から夜9時まで塾やねんなぁ・・・」
6年生を担任していると、例年子どもたちから聞く話です。
特に、中学入試が近づくと、一気に長時間学習させる集中学習を多くの塾が取り入れています。
小学校現場でも、学期末には「このままでは成績締切までに全ての単元が終わらない!」という焦りで、1日に算数を3時間するような先生も見かけます。
このまとまった時間をとって、1つの科目や単元だけを徹底して学ぶ集中学習は、効率が悪いのです。
集中して知識を詰め込んでも、定着率は低く、1週間もすれば大半の情報を忘れてしまうという事実が、多数のデータで明らかになっているからです。
前授業でも、エビングハウスの忘却曲線で示した通りです。
人間の脳には
・集中モード:目の前の情報に注意深く意識が向いている状態 ・緩和モード:リラックスして思考がさまよっている状態
という2つのモードがあります。
この2つをうまく組み合わせて活用することで、知識が繋がり、学習効果を高めます。
集中モードで、目の前の学習情報を理解するべく、頭をフル回転。
そして、緩和モード(頭を休憩させる)で、国語や算数などジャンルを超えた思考が彷さまよいだし、頭の中の色々な情報が結びつき、新たな発想を生み出すことにつながります。
いくら考えても、答えが出なかったことが、入浴中や、シャワーを浴びている時にふっと答えを思いついた経験があなたにもあるのではないでしょうか。
学習した内容を使える知識として身につけるためには、適度な休憩を取り入れながら学習することが効果的なのです。
⑥自分の学習スタイルに合わせる
昨今、日本の教育現場でも、文字を読むのが得意な子は読書を中心に、音声学習が好きならオーディオブックを活用、などといった学習法が取り入れられるようになってきました。
小学校現場では、特別支援教育や、英語にこのような学習方法が取り入れられることが多いように感じます。
個のニーズに応じた学習法を選択して学べる
と言われると、聞こえはいいですが、この自分の「学習スタイルに合わせる」という学習法は、多くのデータで否定されています。
近年の研究では、インディアナ大学が数百万人のデータ検証を行なった上で、
「自分が好きなスタイルで勉強をして見てもテストの成績は全く向上しなかった」
と報告しています。
逆に、成績が良い学生たちは、「ある特定の学習法」を使う傾向が一貫して確認されています。
具体的な学習法については、次の授業で紹介していきます。
つまり、ここで言えるのは、本当に効果的な学習法に個人差などない、ということです。
個々のニーズに合わせた学習、という聞こえの良い学習法が実は効果が否定されている、という皮肉な現実です。
⑦忘れる前に復習する
「今日勉強したことは、忘れないうちに早めに復習しておきなよ!」
これも、私がこれまで何度も子どもたちに言ってきた言葉です。
しかし、これも間違いなのです。
復習は、学習法の王道です。
復習自体に効果がない、というわけではなく、
問題なのは 復習するタイミング
だったのです。
復習のタイミングについては、すでにアメリカで実験が行われています。
・勉強の内容を忘れないうちに復習した生徒 ・勉強の内容を忘れかけた時点で復習した生徒
どちらの方が、テストの成績がよかったでしょうか。
結果は、「忘れかけた時点で復習」した生徒だったのです。
つまり、
「復習は忘れたころにする」
これが正しい復習法だったのです。
人間の脳は、できるだけムダなエネルギーを使わないようにできています。
忘れないうちに復習する=すでに知っている情報だから記憶しなくてもO K
というように脳が働き、結果として記憶に定着しないのです。
一方、忘れたころに復習することで、
「わざわざ思い出そうとしているということは、大事な情報だ!しっかり記憶しておかなければ!」
と脳が働き、記憶に定着を促します。
思い出すという作業が脳に刺激を与え、記憶の定着に結びつくのです。
さて、次の授業では、いよいよ科学的に正しい学習法について解説していきます。
ぜひ、あなたの教室でも学び方革命を起こしてください!
本記事を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます!!
今回は学習法について解説してきましたが、
まずは学力よりも、学級経営です。
小学校現場において、学級経営の充実なしに、学力の向上は有り得ません。
学級経営については、こちらの授業をぜひ参照ください。
読んできださったあなた、そしてあなたの目の前の子どもたちが、笑顔で溢れる毎日を送れることを心から願っております。
1人では辛くなることも多いでしょう。
そんな時はまたここに帰ってきてください。
いつでも相談に乗りますよ。
先生自身、そしてクラスの子どもたちが、笑顔で毎日を送れることを願って。
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