✅このような悩みをお持ちではないですか?
・学級経営ってどうすればいいの?
・学級経営って、どう評価すればいいの?
小学校の先生ならほぼ全員が行うことになる学級経営。
あなたは、「学級経営って何?」と聞かれたら説明できますか?
先日、YouTubeの「コンセントチャンネル」で番組を配信していたところ、学校関係者ではない視聴者の方から「学級経営って何なの?」という質問をいただきました。
これは、学校現場の先生はもちろん、現場の外の方にもちゃんと整理して説明する必要があるな、と感じました。
その質問への回答と、私の考えも交えて本授業をお届けします。
ここ「となりの学級経営」では、その名の通り、「学級経営」について様々な角度から情報を発信しています。
本授業では、「学級経営とは何か」ということについて日本学級経営学会の学会誌をもとに解説をします。
✅本授業の内容
2時間目:学級経営は最終的にどう評価する?
3時間目:今、私たちができること
以上のような内容で授業をお届けします。
✅筆者のプロフィール
・小学校教諭として11年間勤務
・得意分野は?と聞かれたら「学級経営」と即答
・日本学級経営学会所属
・学級経営の軸は「自治力のあるクラス」
・得意分野は「学級経営」
1時間目:「学級経営」ってそもそも何?
あなたは「学級経営」って何?と聞かれたら答えられますか?
結論からお伝えします。
学級経営とは何か。
現段階では明確な定義がなされていない
というのが答えです。
学習の成立,教科指導,特別支援教育など様々な視点から学級経営は語られています。
しかし、その経緯が多様なあまり、明確な定義が見当たらないというのが現状です。
ということは、「学級経営」というものに対して、現場の教員一人一人が意味づけを行い、日々の実践に落とし込むという必要が出てきます。
その意味づけとなるものが、これまで幾度となくお伝えしてきた「学級経営の軸」です。
4月の学級開きまでに、この「学級経営の軸」を明確に言語化しておくことが、1年間の学級経営においては必要不可欠だからです。
私の「学級経営の軸」は何?と聞かれたら
「自治力のあるクラス」
です。
自分たちのクラスは自分たちで創る
ということを合言葉をもとに、毎年出会う子どもたちとどんなクラスを一緒に作っていきたいかを考えてきました。
あなたの「学級経営の軸」は何ですか?
それを言語化することが、あなたなりの学級経営への意味づけとなります。
2時間目:学級経営は最終的にどう評価する?
「コンセントチャンネル」での配信中に、
「学級経営って最終的にはどう評価するんですか?」
という質問もいただきました。
この質問に対する答えは、
学級経営が明確に定義されていない以上、学校現場で一律に基準を設けて数値的な評価を行うことは困難
ということです。
はっきりと定義づけをされていないものを、一定の基準を設けて評価することはできないからです。
では、
学級経営がうまくいったとか、うまくいかなかった、などの判断はどうするのか
数値による評価をしないから、担任任せの曖昧な担任制度になっているのではないか
という鋭いご指摘もいただきました。
ここについても解説していきます。
新潟上越教育大学の赤坂真司先生教育ZINE「集団づくりのゴールイメージ」の中で、
学級経営のゴールとは「自治を目指す自治的集団を育成する営み」である
としています。
自治的集団とは
- 自分たちの生活の問題に気づき
- 課題を設定し
- 解決のために民主的な意思決定をし
- 行動し
- 評価と改善をしながら解決をする
- 1~6のプロセスで教師の適切なサポートを受けながら成長する集団
つまり、学級経営とは子どもたちと日常過ごす中で、「自ら課題を発見し、その課題を自ら解決していくそのプロセス」を指す、と言えます。
だから、私は学級経営において、到達したゴールにフォーカスを当てて評価するのではなく、そこに至るまでのプロセスにフォーカスを当てて評価することが重要であると考えます。
つまり、プロセスにフォーカスするので、結果を数値化して評価するのは少し的外れであると考えます。
そのプロセスの中で、自分たちが目指す学級像へ近づいているという「実感」を持てているかどうか。
課題を自分たちで設定し、解決策を練って試してみる。
うまくいかなければまた話し合う。
このトライアンドエラーの過程こそが、学級経営の最重要ポイントであると考えます。
ここで私は、
学級経営において、数値による評価は不要
というスタンスを明示しておきたいと思います。
3時間目:今、私たちができること
学級経営というものの定義が明確でない今、私たちはどうすれば良いのでしょうか。
それは、月並みですが、
1人1人の教師が自ら学び、仲間とともに支え合いながら実践し続けること。
教師自らの理想を言語化し、子どもと徹底的に向き合い、共通理解を深めていく。
そして、子どもの成長をサポートし、壁にぶつかり、悩む子どもにそっと寄り添い、伴走する。
これしかないのです。
学級経営というものをしっかりと定義し、研究を深めていこうとする動きの中、日本学級経営学会が発足しました。
「理念と実践の往還」を基軸とし、研究が進められています。
しかし、これまでの学校教育の長い歴史の中で定義がされてこなかった学級経営。
正直定義が明確化されることはもちろん、「こうすればうまくいく」という体系だったものになるまでにはまだまだ時間がかかると思います。
現時点では、個性の異なる教師と、毎年様々な子どもたちと行う学級経営において、万人が「こうすればうまくいく」というものを生み出すのは極めて難しいと考えています。
または、「こうすればうまくいく」と一律にまとめ上げることは逆に学校教育に閉塞感をもたらすことにもなりかねないとも考えています。
では、私たちが今できることは何か。
それは、
まずは教師自身が、目指す学級像(集団像)を言語化する。
それを子どもと共有し、子どもの意見も取り入れ、最終的にゴールと位置付ける学級目標を創る。
教師は子どもと共に創り上げた目標を自ら行動に移し続ける。
ということです。
子どもは教師の言うことは聞いていない。目の前の教師がどう行動するかを見て真似する。
これまで、となりの学級経営では何度もお伝えしてきたミセス・パンプキン氏の言葉です。
子どもと理想の学級像を創り上げたら、あとはあなた自身がその理想の実現に向けてただ行動し続けること。
これが学級経営に不可欠な本質部分だと考えます。
本授業を最後までご覧いただき、本当にありがとうございます!!
学級経営は1年という長旅です。
その旅路では、様々なトラブルが起こることでしょう。
時には、心が折れそうになることもあります。
だから、私は学級経営に悩む先生たちに情報発信をしたり、勉強会を開催したりしています。
「ここにくれば前を向いて頑張れる!」
そんな心の拠り所となるコミュニティーを創りたい。
そう考え、「先生たちの学級経営基地」を設立しました。
共に支え合い、楽しく学びながら、実践し続ける。
そんなコミュニティーにしていきたいと考えています。
皆さんのクラスが温かい素敵なクラスになることを願っております。
今後も、日本中の先生たちと繋がれる様々な情報をお届けしますので、
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公式LINE:「先生たちの学級経営基地」
正しい知識と考え方を身につけた上で、どんどん行動、どんどん実践していきましょう。
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