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【田中博史先生から学ぶ】 子どもが変わる授業 ③【先生たちへのQ&A】

授業力

このような悩みをお持ちではないですか?

・子どもに勉強する意味を聞かれて答えられなかった
・勉強嫌いな子にどうアプローチすればいいのだろう
・どうすれば学級経営も授業もうまくいくのだろう

先日、某小学校の校内研究会に参加させていただきました。

そこで元筑波大学附属小学校副校長の田中博史先生の講演をお聞きしました。

今回は、そこで聞かせていただいたお話と、私が11年間現場の教師として学んできたことを合わせて考察をしていきます。

今回は全3回の最終授業となります。

第1回目第2回目の授業も合わせてご覧ください。

ぜひ最後まで本授業をお楽しみください。

本授業の内容

1時間目:子どもに「算数なんて将来何に使うの?」と聞かれたら
2時間目:学ぶ意欲が低い子への対応をどうすれば?
3時間目:【考察】HOWに飛びつく大人たち

以上のような内容で授業をお届けします。

✅本日の参考文献


楽天:子どもが変わる授業/田中博史著
Amazon:子どもが変わる授業

筆者のプロフィール
・小学校教諭として11年間勤務
・得意分野は?と聞かれたら「学級経営」と即答
・学級経営学会所属
・学級経営の軸は「自治力のあるクラス」
・筑波大学附属小学校「算数サマーフェスティバル」に10年間参加
・田中博史先生主宰「授業・人・塾」

動画でご覧になられる方はこちら↓

1時間目:子どもに「算数なんて将来何に使うの?」と聞かれたら

子どもに「算数なんて将来何に使うの?」と聞かれたらあなたはどう答えますか?

この問いに対する田中先生による結論を言うと、

「算数の勉強とは、物事を考える練習をする教科である」

と言うことです。

確かに、算数を通じて、新しい概念を知識として学んだり、計算などの技能を身につけることも大切なことです。

しかし、それ以上に物事を考察し、問題解決をする過程を通じて論理力や類推力を鍛えることに算数という教科を学ぶことの本質があるのです。

では国語はどうでしょうか。

あなたは国語を学ぶ意味についてどう考えますか?

私は、

「国語の勉強とは、自分や他者の考え方と向き合い、自分らしい生き方を模索する教科である」

と考えます。

説明文では、筆者の主張から学べることを吸収したり、自分の考えと比較することで、自分や他者の考え方と向き合います。

物語文では、様々な状況、背景から登場人物の心情を読み解き、想像力を働かせます。

時には共感し、時には反論しながら。

登場人物、つまり他者の心情を読み取ろう、感じ取ろうとする姿勢そのものが、現実世界における人間関係の構築に大きく関わってきます。

また感じたことを友だちと交流することで、「そんな受け取り方もあるのか!」という新たな視点の獲得にもつながります。

これらの活動を通じて、少しずつ自分らしい生き方を構築していく。

これが国語を学習する意義であると考えます。

あなたはどう答えますか?

そして、他の教科について聞かれたらどう答えますか?

「そもそも勉強ってなんでしないといけないの?」と聞かれたらなんと答えますか?

2時間目:学ぶ意欲が低い子への対応をどうすれば?

学ぶ意欲が低い子への対応は、

まず何が学ぶエネルギーを潰している要因となっているのかをしっかり観察する

ことから始めましょう。

元々、学ぶ意欲が低い子なんていないからです。

そういう態度を取らざるを得ないのです。

学ぶ意欲が低い子は、これまでの経験で自信を大きく失う経験をしてきています。

だから、学ぶ意欲を削いでいる要因を地道に1つずつ潰していくしかありません。

例えば、過去に授業中に間違えた発表をして、他の子に笑われた経験を持つ子がいたとします。

その子は「自分はできない子だ」と有用感を失っている状態です。

この子へのサポートを考えてみましょう。

この子には、「自分にもできるんだ」という何かきっかけが必要です。

例えば、ある問いに対して、自分の考えをペアで交流させます。

教師は、その子の話すことをこっそり聞いておきます。

そして、さりげなく

「今の考えなかなかいいね!わかりやすいね!」

と伝えます。

すると、これはその子にとって「先生からのお墨付き」となり、自信を持てます。

結果として手を挙げて発表できるかもしれません。

しかし、例え手を挙げて発表できなくても、「自分にもできるんだ」という自信がちょっぴり湧いてくるのではないでしょうか。

このような小さな積み重ねが、少しずつ自己有用感を育み、また学びへの意欲を取り戻すことにつながっていくのです。

3時間目:【考察】HOWに飛びつく大人たち

書店で教育書の棚に行くと、「子どもが静かになる方法」とか「学級崩壊しない方法」などのノウハウ本が溢れています。

これは、「どうやって子どもを動かすか」とか「どうやって授業を進めるか」といった「HOW(方法)」に先生たちの頭が偏ってしまっていることを象徴していると感じています。

しかし大切なのはWHATとWHYです。

【WHAT=目的は何か】
【WHY=なぜ大切なのか】

これらは、いわば教師一人一人のビジョンであるとも言えます。

今の子どもたちは、活動する「意味」を求めています。
なぜその活動をするのか「理由」を求めています。

教師はこれを子どもたちにしっかりと説明する必要があります。

ここをちゃんと説明せずに、「どう指示をしよう」「どう授業を進めよう」などのような方法にだけ目を向けて子どもたちの前に立つからうまくいかないのです。

この「となりの学級経営」で一貫してお伝えしていることがあります。

それは、

学級経営においてまずは「学級経営の軸」を創ることが大切だ

ということ。

これは学級経営におけるWHAT(意味)とWHY(理由)の部分です。

これを、子どもたちとしっかりと共有していくことが、学級経営における1年間という長旅では必須なのです。

このWHAT(意味)とWHY(理由)を語るには、教師自信が自分をしっかり向き合い、思考し、言語化しなければいけません。

しかし、現場で11年間働いてきた中で、これをしっかり行っている先生は少数派でした。

なぜか。

それは、めんどくさいからです。

人は、頭を働かせて思考することに大きな負担を感じます。

だから、手っ取り早い目先のHOW(方法)に飛びつくのです。

HOWに飛びつく大人は、子どもにもHOWを伝えます。

算数の授業なら、「筆算の書き方」、「計算の方法」などを教えることが目的になります。

そこで間違えたり、わからなかった子どもは「自分ができない子だ」という思いを抱き、学びへの意欲を削がれます。

WHAT(意味)とWHY(理由)を語り、そのために学習がある。

だから間違えなどの過程にも全て意義がある、と伝えられていれば、そのような事態は避けられます。

私自身も、日常手っ取り早い方法を無意識に追い求めてしまうことは多々あります。

でも、その度に「なんのためにこれやってるんだっけ?」と自分に問いかけることでWHAT(意味)とWHY(理由)を意識するようにしています。

これからも先生方とWHAT(意味)とWHY(理由)を大切に子どもの未来を語り合っていきたいという想いを込めて、「田中先生から学ぶシリーズ」を締めくくりたいと思います。

Hands holding finish word in balloon letters

本授業を最後までご覧いただき、本当にありがとうございます!!

前回の授業の最後には、

「あらゆる教育活動は学級経営がベースとなる」

とお伝えしました。

今回は、さらに踏み込んで

「あらゆる教育活動はWHAT(意味)とWHY(理由)がベースになる」

という内容をお伝えしました。

学級経営、そして授業、様々な行事。

全てにおいてその目的、意味、理由を子どもたちと共有しながら過ごすことが教育の本質であると考えます。

正しい知識と考え方を身につけた上で、どんどん行動、どんどん実践していきましょう。

そして、それを共に継続していきましょう!!

学ぶ意欲の高いあなた、そしてあなたの目の前の子どもたちが、笑顔で溢れる毎日を送れることを心から願っております。

1人では辛くなることも多いでしょう。

そんな時はまたここに帰ってきてください。
いつでも相談に乗りますよ。

先生自身、そしてクラスの子どもたちが、笑顔で毎日を送れることを願って。

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質問や、コメントもドシドシお待ちしております!

コメント

  1. 三宅淳己 より:

    なるほどです!!
    めちゃくちゃわかりやすかったです。
    特に、最後の
    Howに飛びつく大人
    に共感しました。
    是非今後も読ませていただきます。

    • mr.sun_of_children より:

      三宅淳己さん
      ありがとうございます(^^)
      Howを手に入れるほうが楽ですからね。
      でもそれでは本質的な教育は難しいと考えています。
      僕も、脳は嫌がりますが、日々考える、ということを大切にしています!

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